用 語 検 索
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日本語を学ぼう!教えよう!
第2部言語と心理
第2章言語教育法・実技
第1節外国語教授法
5.直接法
ダイレクト・メソッド
1.概要
1.背景
音声学、言語学、心理学などの研究から、応用言語学が盛んになった
それまでの文法訳読法の改革を唱える声が高まった
2.特徴
書き言葉ではなく、話し言葉
目よりも先に耳から言語に触れさせる
翻訳ではなく口頭で指導を行う
文法と語彙を文脈の中で与えて、帰納的に理解させる
3.日本での意味
媒体語を使わない教え方
媒体を使う教え方を、間接法という
4.直接法の利点
学習者の母語が多様であっても教えられる
教師が学習者の母語が使えなくても教えられる
5.直接法の欠点
規則や抽象概念の導入に手間がかかる
手間の割に、学習者の十分な理解が得難い
6.直接法の実際
折衷法となっている
母語による文法説明書や対訳がある
部分的に媒体語を利用している
7.人物
ヴィトール(独)
スィート(英)
音声教育を強調した
パッシー(仏)
イェルペルセン(デンマーク)
2.オーラル・アプローチ
場面教授法ともいう
オーラル=口頭
1.人物
応用言語学者、パーマー(英)
パーマーの示した指導法は、オーラル・メソッドと呼ばれる
ホーンビー(英)
ピットマン(豪)
2.特徴
口頭による指導と場面を重視
言語構造と文脈と場面の緊密な関係を強調する言語観に基づく教授法
書き言葉より話し言葉を先に口頭で教える
文法知識は運用可能な場面と結び付かせる
教師主導である
言語調査を基に選択した有用な必須語彙を順序よく導入する
文法を文型(構造)として捉える
単純なものから複雑なものへ段階付けして教えていく
新しい言語項目(語彙・構造)の導入には場面を活用して視覚的に導入する
場面=動作・ジェスチャー・絵・レアリアなど
繰り返しと代入を中心とした口頭練習によって正しい話し方の習慣形成を行う
PPPの授業モデル
Presentation、提示
Practice、練習
Production、産出
3.日本において
パーマーは戦前、文部省の英語教育顧問として来日し、英語教授研究所所長を務めた
パーマーと摂した長沼直兄によって、オーラル・メソッドが日本に導入され、直接法による指導の原点となった
4.イギリスにおいて
1980年代から1990年初め、PPPの授業モデルの習得が英語教育の教師に求められた
3.GDM
Graded Direct Method
段階的直接教授法
1.概要
ゲシュタルト心理学の「物事を全体として捉える」という視点に立つ
SEN-SITを重視
sentence-situation
文と場
精選した汎用性のある語彙と文法を、母語を使わずに、易から難に段階的に指導する
スティック・フィギュアを活用する
2.提唱者
リチャーズ(米)
ギブソン(米)
3.GDMの別名
Harvard Graded Method
リチャードとギブソンがハーバード大学で実践に取り組んだため
4.欠点
語彙と文法に制約による表現が不自然だったり偏ったりする
教師に一定の技術が要求される
日本語を学ぼう!教えよう!
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